マラソンの世界に足を踏み入れた市民ランナーなら誰もが直面するのが故障です。
せっかく厳しいトレーニングを重ねてもケガをしてしまったら全て無駄になってしまいます。
筆者自身2007年初フルマラソンから20回以上のフルマラソンに出場する中で サブスリー達成という歓喜を味わった一方で、ずっと故障と向き合ってきました。
この記事では、市民ランナーに必要なセルフケアについて自分の経験をもとに解説しています。
マラソンで故障しないためのセルフケアとは?
まずマラソンで故障しないためのメンテナンスについて解説します。
トレーニング前後に必ずストレッチ
当たり前のことですが、トレーニングの前後に必ずストレッチしましょう。
時間が取れる場合は、もちろん入念にした方が良いですが、 仕事に行く前に走りたい場合など、時間が取りにくい場合があると思います。
そういった場合には、下記の要領でストレッチします。
- まずスタート前に股関節だけしっかりストレッチ
- 1km程度軽くジョギングして、体をほぐす
- 一旦止まって、再度股関節をストレッチ
これをするだけでも故障に対するリスクヘッジに非常に有効です。
<股関節のストレッチ2種類>
股関節のストレッチでおすすめなのがこの2種類です。
ひとつ目は、アキレス腱伸ばしを深くやるイメージです。
これを両足やるだけで、かなり股関節が伸びます。
もう1種類は、肩入れです。
画像のように肩を入れながら、状態を沈めて股関節を伸ばします。
こちらは、脇や肩甲骨のストレッチにもなるのでおすすめです。
もし余裕があれば、下記の太腿の前を伸ばすストレッチを加えましょう。
このストレッチも立ったままの状態でできるので手軽でおすすめです。
トレーニング後のストレッチは、できる限り入念に行いましょう。
私は下記の動画を参考にしていました。
この動画で紹介しているストレッチで、下半身ほぼ網羅されています。
もし時間が取れない場合でも、スタート前に行う股関節のストレッチだけは必ずやりましょう。
アイシングと半身浴
トレーニング後のアイシングは非常に効果的です。
銭湯に荷物を預けてランニングする時など、銭湯の水風呂と湯船を交互に数回行き来するととても楽になります。
自宅なら冷水シャワーをかける→湯船に浸かるを繰り返せばと良いと思います。
また、時間がある時はぜひ半身浴をしてください。
疲れの取れ方が全然違います。
ぬるま湯に腰から下だけ浸かって30分以上実施してください。
当時は音楽聴きながら浸かってましたが、今ならNetflixやAmazon Primeを1話分観るなどするとあっという間ですよ。
スポーツマッサージとセルフマッサージ
スポーツマッサージは月1回くらいの頻度で通っていました。
定期的にプロにメンテナンスをしてもらうのはとても重要です。
ポイントとしては、
- なるべく同じトレーナーを指名する:身体の変化に気付いてもらいやすい
- レース直前(3〜4日前)は必ず行く:筋肉をほぐしてもらう&筋肉の状態を確認するため
- 状態によっては針を打ってもらう:即効性がある(個人差あり)
筆者は当時瀬古利彦さんの経営する「韋駄天治療室」に通っていましたが、現在は廃業してしまっていますので、それ以前に通っていたケッズトレーナーをおすすめします。
オリンピック選手やプロ選手も数多く利用していて信頼できます。
また、スポーツマッサージに通っていると、どこが疲れやすくて、どのようにほぐしてくれているのか徐々にわかるようになります。
それがわかれば、自宅で自分でもほぐすこと(セルフマッサージ)ができるようになります。
スポーツマッサージを受ける際は、そういった部分を意識してみましょう。
疲労回復のサプリメント
疲労回復のためにサプリメントを摂ることも効果があると思います。
特に我々のような高齢者ランナーには、劇的な効果をもたらす場合があります。
私がずっと愛飲しているのは、アミノフライトです。
少々値は張るのですが、効果を実感できるのでやめることができません。
参考までに、下記のような効果を実感しています(あくまで個人的な感想です)
- 肝機能が改善した(γ-gtp等の肝機能の数値が明らかに良くなった)
- 日焼け止めも塗らずにランニングしているのに(年齢の割に)肌がスベスベ
- 以前に比べ疲れ難くなった
- 以前に比べ味覚が鋭くなった
シトルリン、BCAAの含有量が多く、アスリート向きのアミノ酸商品です。
スポーツ系のアミノ酸商品であれば、この商品でなくても良いと思います。
そして、アミノ酸の効果を高める亜鉛を合わせて飲んでます。
また、プロテインがわりにHMBカルシウムも飲んでいます。
怪我を予防するキネシオテーピングの効果
気になる箇所はキネシオテーピングで補強しましょう。
キネシオテープとは、アクリル系粘着剤を用いた伸縮性のあるテープで、筋肉に沿って肌に直接貼ることで筋肉の動きをサポートし、 運動による痛みの緩和、怪我の予防、血液やリンパ液の循環促進などの目的で使われます。
ランナーが痛めやすい、膝、アキレス腱、大腿部に特に効果的です。
レース中だけでなく、トレーニング中も使いましょう。
私は必ず膝を補強します。
たまたまレース中に片方が外れてしまったことがあるんですが、その時に貼っている方と外れた方の膝の皿の動きの違いに驚いてしまい、それ以降必ずキネシオテープで補強するようにしています。
レース後、トレーニング後の膝の痛みが確実に緩和します。
実際のところ、筆者はフルマラソンを走った夜は、膝の痛みで眠れないほどでしたが、 キネシオテープを貼って走るようになってから、痛みで眠れないということがなくなりました。
すぐに実感できると思いますので、ぜひ試してください。
こちらで、いろいろな部位の貼り方が確認できます。
やめる勇気
ランナーも長くやっていると、必ずどこかしらが痛むと思います。
もし、痛まない人がいたら、その人は本当の意味でマラソン向きなんだと思います。
経験のある痛みならまだ良いのですが、経験したことのない痛みの症状が出るとかなり焦りますよね。
慣れてくるとわかると思うんですが、筆者がベンチマークにしているのが、
- 走る前に痛くても走り出して体が温まってくると痛みが無くなる場合:多分大丈夫!
筋肉の張りからくるものなので、マッサージに行くなり、セルフマッサージするなりしてほぐしましょう。 - 走っていてどんどん痛くなる場合:危険!
すぐに中止して、思い切って数日休足した方が良いと思います。無理して拗らせてしまうと、逆に治りが悪くなります。
筆者も2012年のつくばマラソン1週間前に膝裏に経験した事のない痛みを発症して、絶望した経験があります。
その時は開き直ってレース前日まで完全に休足してしまいました。
レース前1週間の練習なんかそもそもたいした練習しないんだからという判断です。
結果的にそのレースで人生2回目のサブスリーを達成することになりました。
怪我と向き合うことは、とても難しいことです。
時にはやめる勇気も必要だと思います。
だって、オリンピックを目指しているわけではないんですから、 しっかり治して万全の体調で再度チャレンジすれば良いのです。
まとめ
- どんなに時間がなくても、トレーニング前のストレッチは必要
- トレーニング後はアイシング(時間があれば半身浴)をする
- 定期的にマッサージに通い、プロにチェックを受ける
- サプリメントを効果的に摂る
- キネシオテーピングで怪我予防
- 時にはやめる勇気も必要
マラソンにケガはつきものです。 故に日頃のセルフケアがとても重要です。 面倒くさくて、手を抜きがちですが、キツいトレーニングを無駄にしないためにもセルフケアはしっかりやりましょう。
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