宮崎駿監督の不朽の名作「風の谷のナウシカ」が12月25日の金曜ロードショーで放映されます。
これから先、我々がいかに生きていくべきかを問いかける今の世の中に最もふさわしい作品です。
この記事では、「風の谷ナウシカ」に登場するトルメキア王国の兵器について解説しています。
トルメキア王国の兵器について解説
映画「風の谷のナウシカ」には、クシャナ殿下率いるトルメキア王国軍が登場します。
軍事大国のトルメキアは様々な兵器で周辺諸族や王蟲を攻撃していました。
それぞれの兵器の特徴とモデルになった兵器を考察しましょう。
コルベット(戦闘艦)
トルメキア王国の多目的戦闘艦で、多人数が乗る船としては中型の部類に属する。
原作では、装甲コルベットと重コルベット(大型機)の2種類が登場しますが、映画で登場するのは走行コルベット。
<映画での登場シーン>
- ペジテのアステル(と巨神兵の卵)を載せたコルベットが風の谷に不時着
- クシャナ率いる艦隊の護衛機として登場
- ペジテのアステルが操縦するガンシップと交戦
- ブリッグからメーヴェで脱出したナウシカを追い回すが、ミトが操縦するガンシップに撃墜される
風の谷のナウシカに出てきたコルベット
ナウシカの船は漫画含めて良デザインばかりなので是非ともやってほしい完成品のフィギュアでもいいからお願い(*-ω人) pic.twitter.com/WAfkPQYxDZ
— 捨てゲワイト (@xLmtQLsca71flCH) September 2, 2020
コルベット(CORVETTE)とは、高速小型護衛艦という意味だが、映画では重戦闘機的な扱い。
大きさの割に機動性は高く、クロトワの様な熟練の操縦士は身軽な戦闘機を追い回す。
不整地への着陸が可能であり、またタンクの破損や後翼に被弾しても飛行可能など多少の耐弾性を持つ。
<機体の構造>
- 機体は細長く機首は尖っていて、下方の視界確保を重視した風防の直後に操縦席がある
- 機体中部では配管等が外部に露出している
- 乗員の迅速な出入りの為に後部は大きく開口している
- ほぼ同じ大きさの前・後翼を機体上面に肩持式に持つ
- 前・後翼の左右の下部にエンジン噴射口・逆噴射口を持つ垂直な着陸脚を兼ねる補助翼を装備
- 後部の補助翼は機体との間にさらに水平な補助翼を持つ
<武装>
- 機首下部に前方固定の4基のロケットランチャー発射器
- 機体の前後左右と上部に複数の機銃座を配置
- 上部に見張り台(マストトップ)を兼ねた銃座
大型船(バカガラス)
トルメキア軍の大型輸送機で全長100mを超える。
映画では出てこないが、名称はバカガラスという。
名前の由来は日本海軍の陸上攻撃機深山(及びそれにつけられた渾名・「バカ烏」)らしい。
<映画での登場シーン>
- 風の谷を襲撃した際に風車をなぎ倒しながら着陸
- クシャナ殿下がナウシカと人質5人とともにペジテに向かう道中ガンシップに撃墜される
ナウシカのバカガラスが好きです pic.twitter.com/4Iw0sQ1NPP
— モエガミ@❄️ボクの冬休み❄️ (@HALO_of_JAPAN) May 8, 2020
風の谷の丘に着陸するなど平地ではなくとも離着陸が可能なほど底部は頑丈な作りになっている。
しかし、ペジテのガンシップからの数発の機関銃で機体が炎上爆発するほど上部装甲は薄い
<機体の構造>
- 主翼は広大で非常に分厚く、翼下にジェットエンジンのような推進装置を8発搭載する
- 尾翼は縦長の胴体後部に沿うような形で垂直尾翼があるが、ほぼ全翼機である
- 胴体下部には多数の車輪を備え重量物を輸送できる
- 機体内部の貨物室は、戦車数両や装甲歩兵や騎兵部隊、捕獲したガンシップを積載するほど広い
- 貨物室の扉は機体後部ではなく機首前方が観音開きのように開く
<武装>
- 機体各所に機銃座を備え、ある程度の自衛戦闘が可能
戦車
原作には登場しませんが、映画では戦車が登場します。
ネットなどで調べると、これは戦車ではなく自走砲だという意見もありますが、
クロトワが「戦車で兵を救出しろ」と言っているので、映画での設定は戦車のようです。
<映画での登場シーン>
- クシャナ殿下率いるトルメキア軍が風の谷を襲撃した際、バカガラスに積載されてくる
- トルメキア軍が巨神兵の卵を風の谷に運ぶために使用
- 風の谷の住民が反乱を起こして、城オジたちが戦車を奪う
- 不完全体の巨神兵を宿営地に運ぶのに使用
ナウシカの戦車って昔は戦車だと思ってたけど、改めてみると戦車じゃないな pic.twitter.com/VemEYEZPAJ
— カフェおぢ (@Wolfrandre) February 1, 2016
<戦車の構造>
- 砲塔は回転しないため、狙いを定めるために車両ごと向きを変えなければならない
※この構造は、分類的には自走砲(歩兵の支援用の戦闘車両)になります。
<武装>
- 回転しない砲塔
- 上部入り口に機銃を装備
トルメキア王国の兵器のモデルは?
それでは、トルメキア王国の兵器にはモデルがあるのでしょうか?
コルベット
いろいろ調べてみましたが、コルベットのように前翼と後翼がほぼ同じ長さの機体は見当たりません。
ただ、機首がガラス張りという点や機体の雰囲気でいうと、第二次大戦中のアメリカ軍爆撃機B-17が近い気がします。
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機体の形状や戦闘機である点では、P-38も無くはない気がします。
P-38 ライトニングは、ロッキード社が開発し、1939年にアメリカ陸軍に正式採用された陸上用高速戦闘機。太平洋戦争における日本軍機の撃墜数は3,785機とされており、これは米軍機の中ではF6F、F4Uに次ぐ第3位の撃墜数pic.twitter.com/CEu4QLs5JG
— 軍事航空機bot (@Fighters_BOT_0) December 12, 2020
バカガラス
バカガラスのモデルになったのは、
第二次世界大戦中にドイツ空軍輸送機として使用されたメッサーシュミットMe323 と言われています。
愛称のギガント(Gigant)はドイツ語で「巨人」を意味します。
乗員 | 5名 |
全長 | 28.2メートル |
翼幅 | 55.2メートル |
全高 | 9.6メートル |
とりあえずMe323のGif張る pic.twitter.com/RZYFTNbV8l
— メタトロン少将@ミリタリー好きYP (@ZGy3Di3p0ingrLF) May 25, 2019
「未来少年コナン」の”ギガント”や「機動戦士ガンダム」の”ガウ級攻撃空母”のモデルにもなったようです。
戦車
戦車のモデルになったのは、おそらくドイツの突撃戦車ブルムベアでしょう。
第二次世界大戦のドイツの歩兵の支援を目的とした自走砲です。
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以上、モデルに関する検証については、全て推察です。
まとめ
- 映画に登場するコルベットは装甲コルベットで、モデルはおそらくB-17
- 映画では大型船としか紹介されないバカガラスのモデルは、おそらくメッサーシュミットMe323
- 映画にしか登場しない戦車のモデルは、おそらくブルムベア
原作では、コルベットは2種類登場しますし、戦車が登場しないなど映画とは異なる点があります。
興味のある方は、ぜひ原作も読んでみてください。
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最後まで読んでいただきありがとうございました
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